臨床教育基準

指導責任者及び指導体制の規程

1.事業(臨床教育基準案作成)の目的

理学療法士教育を取り巻く様々な環境の変化を背景に、臨床教育の水準を担保することが当部事業の重要な位置を占めると考えられます.これに対する具体的方略の一つとして、大阪士会における臨床教育の基準を作成しました.

2.事業の経過

士会員への実態調査(平成13年度に実施)から実習に対する意識と現状を把握し、当部部員と大阪府下の養成校教員を交えた拡大部会を事業化し、平成14 年度3回に渡って開催しました.当部より提示した原案について拡大部会で議論を重ね、本基準をまとめました.また平成14年11月には士会員への事業経過と基準案の説明を目的とした臨床教育ミーティングを実施しました.

3.士会として基準を検討する意義

先の実態調査におきましても、士会員から指導者の資格についての疑問の声があげられています.また職能団体として自らの身分や地位を向上する意味においても、臨床教育の水準を保守することは欠くことのできない要素であり、自らが教育の枠組みや指導者の資格を検討することは意義あることと考えられます.

4.基準の根拠

理学療法士作業療法士養成施設指導要領では、臨床実習の指導者に関して『理学療法に関し相当の経験を有する理学療法士とし、その内少なくとも一人は免許を受けた後3年以上業務に従事したものであること』と規定しており、指導責任者を配置した指導体制を確立していくべきとの結論に至りました.これを基に臨床経験3年以上、養成施設等教員講習会(いわゆる長期講習会)の受講者を基本形として、諸々の実績を盛り込めるように単位数換算の方法を取り入れ、指導責任者及び指導体制を規定しました.

5.基準の運用案(拡大部会を含めて当部が提案している内容)

  1. 士会が理想とする指導責任者及び指導体制として臨床教育基準を公表する.
  2. 養成校は基準に準じた指導責任者及び施設の育成に協力する.(各養成校は全長期実習施設の一定割合以上が基準を満たすよう努めることに合意しています)
  3. 各士会員(実習施設)はこの基準を認識し、指導体制の確立に努力する.

臨床教育基準

本規定は理学療法士教育における教育水準の保守を目的とし、指導責任者及び指導体制について定めるものである.

I.指導責任者について

  1. 指導責任者とは実習指導において指導者を人選し指導方法について学生評価について統括するものをいう.
  2. 指導責任者の要件
    臨床能力に優れ教育に熱意のある理学療法士で、1)から3)の内いずれか一つの要件を満たすことを要件とする.

    1. 専門理学療法士の認定を受けた者
    2. 理学療法士・作業療法士養成施設等教員講習会の終了者
    3. 下記の単位数換算により15単位以上に該当する者
      1. 臨床経験:1年を1単位とし10単位を上限とする
      2. 協会主催の臨床実習指導者研修会及び養成プログラムの受講     5単位
        (注釈:養成プログラムとは当部として創設を提案している講習会)
      3. 養成校連絡協議会、士会主催の臨床実習指導者研修会の受講     3単位
      4. 臨床実習指導者会議への参加 会議のみ1単位 教育後援を含む場合 4単位
      5. 一般教員免許の取得                       5単位
      6. 学術活動について 学術集会への参加及び発表については日本理学療法士協会
        生涯学習プログラムの単位数に換算する.但し教育分野についてはそれぞれ2単位加算とする.

II.指導体制について

  1. 指導責任者を配置している.
  2. 診療チームの体制の中で指導を行う.
    (注釈:指導担当者のみでなくPT部門のスタッフ全体で指導を行うことができる体制)
  3. 実習目標及びスケジュールを明示した上で指導を行う.
  4. 到達目標や指導内容について討議する機会を設定する.
  5. 学生評価については学生に説明し理解を得る機会を設定する.