大会長あいさつ

第27回大阪府理学療法学術大会を開催するにあたって

大会長  鈴木俊明(関西医療大学大学院)



近年のリハビリテーションでは、以前より実施されてきた運動療法、物理療法ではなく、新しいスタイルのリハビリテーションが注目されている。例えば、痙縮への治療ではボツリヌス毒素を用いた治療、磁気刺激療法、訓練用ロボットを用いた治療が注目されている。一方、以前より行われてきたストレッチのような運動療法は、効果のある治療法と言われているが、その効果に関しては未だ不明確な点が多い。また、様々な神経生理学的アプローチも理学療法士からは絶大な人気があるが、リハビリテーション医学の観点からは効果の是非が不明確である治療法とされている。要するに、病院、施設で多用されている理学療法の手法は効果が少ないと言わないといけない現状である。こんなことで良いのであろうか。我々が日常業務で行っているものが否定されつつあるような危機感を感じてならない。

今回、第27回大阪府理学療法学術大会の学会長を拝命し、「理学療法を科学する」をテーマにして、平成27年7月20日(祝)に大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて開催させていただくことになりました。本学会では、以下の3点を中心に議論をしたいと考えている。

1 患者様の障害を明確に把握できているか、2 正しい理学療法を提供できているか、 3理学療法の効果を明確にすることができているか、について、客観化し、科学することを考えられる学会にしたいと考えている。 大阪府理学療法士会の会員には、様々な分野で活躍されている素晴らしい理学療法士が沢山おられる。

そこで、多くの優秀な方々に講演者、司会・座長、そして学会運営にご協力いただき、会員のみなさまにとって有意義な学会にしたいと考える。みなさん、是非、お楽しみください。