府民公開講座
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「脳卒中予防の秘けつと最新治療 −あなたと家族を脳卒中から守るために−」
峰松 一夫 ( 国立循環器病研究センター 副院長 )
脳卒中は、わが国における死因の第3位であり、要介護者となった原因疾患の第1位、特に重度介護となった原因の4割を占めます。高齢化社会を迎えた現代においては、脳卒中の発症や再発を予防することは重要な課題となっています。
脳卒中を予防するためには、発症の危険性を高める基礎疾患や生活習慣(これらを危険因子といいます)の治療、改善が必要です。中でも高血圧と糖尿病、また不整脈の一つである心房細動などの疾患を予防し、あるいはこれらの疾患に対する適切な治療(降圧療法や抗血栓療法)によって脳卒中の発症は著しく抑えることが可能です。
脳卒中、特に脳梗塞の診断や治療は、目覚ましく進歩しています。特に、2005年10月に保険適応となった血栓溶解薬(rt-PA)を発症から3時間以内(最近では、4.5時間以内とも)の急性期脳梗塞患者に投与すれば、劇的な症状の改善が期待できます。脳卒中の治療は、一刻も早く専門的な脳卒中治療が可能な病院に入院し、発症からできるだけ早期に開始する必要があります。そのためには、何よりも皆さんが脳卒中を疑う症状を、知っておくことが大切です。
30年以上にわたり、脳血管内科学(脳血管障害)を専門として、診療や研究、教育に携わってこられた先生に、脳卒中に関する最新の話題について解りやすくご講義いただきます。
脳卒中チェック項目として「fast」を広めましょう。
「脳卒中の代表的な3つの症状、顔の麻痺(F:face)、腕の麻痺(A:arm)、言葉の障害(S:speech)
に気づいたら、発症時刻(T:time)を確認して、すぐに119番」