大会長あいさつ

第23回 大阪府理学療法学術大会

大会長 尾谷 寛隆 (国立循環器病研究センター 脳血管リハビリテーション科)

この度、第23回大阪府理学療法学術大会を平成23年7月10日(日)に大阪国際会議場にて開催する運びとなりました。

リハビリテーション医療はチーム医療とも呼ばれています。多職種が共通の概念のもとに医療を実践することにより、その効果がさらに向上するというものです。最近では、大腿骨頚部骨折および脳卒中を対象疾患として、地域連携診療計画管理料が算定可能になりました。これは、患者の診療を地域で総合的に管理することの重要性を表しており、単一の施設のみで完結するのではなく、その後の施設においても継続した診療が欠かせないことを意味しています。従って、現在の医療には施設の相互関係を重視した診療連携が必要不可欠な要素であることは明らかです。

理学療法は、それぞれの施設あるいは病期によって完結するものではありません。疾病予防を目的とした理学療法、障害に対する理学療法、そこには急性期・回復期・維持期などの病期においてそれぞれの理学療法士が関わることが少なくありません。理学療法士がお互いの目的や治療を理解し合い連携を深めること、さらには、継ぎ目のない(シームレス)理学療法の提供が実現することによって、患者および利用者の方々の信頼が得られ、安心して理学療法を受けていただけると考えます。このような思いから、今回の大会のテーマを「つながる理学療法」としました。この大会が、急性期から回復期、そして維持期へと一連の理学療法の提供体制を構築する礎となることを期待します。

本大会は、若手理学療法士の登竜門的な演題発表の場として位置づけられており、演題発表形式は口述発表を基本としています。症例報告、臨床・基礎研究、調査研究など、日々の成果をまとめて本大会に応募していただきますようお願いします。特に若い会員の方々からの応募をお待ちしております。

また、本大会におきまして、大阪府民の医療および健康の増進に寄与すべく、府民の方々にもご参加いただける講座を企画いたしました。この府民公開講座には、峰松一夫先生(国立循環器病研究センター副院長)を講師にお招きし、「脳卒中予防の秘けつと最新治療−あなたと家族を脳卒中から守るために−」のテーマでご講演いただきます。

皆様にご満足いただきますよう、私たちスタッフは一丸となって、プログラムを企画、作成しております。大会および府民公開講座へ多数のご参加を心よりお待ちしております。