理学療法士が引く手数多であった時代はすでに過去のことになり、希望に副った就職は難しく、転職も容易ではなくなってきています。その反面、理学療法学という学問は進歩を続け、あらゆることが文献を通して理解できる環境が整いつつあります。しかし、記憶学習になれた経験の浅い理学療法士は、さらに記憶優先の学習を行う傾向となり、臨床症候をエビデンスより紐解いて、新たな方策を検討するという思考過程を取れなくなってきていると考えます。このような状況では、臨床経験年数と理学療法士としてのスキルが相関を示さなくなり、理学療法の質が低下する一方と考えます。
患者さまに信頼される理学療法士になるために、そして理学療法士として「真のスペシャリスト」になるためには、何を学びそしてどの様に努めなければならないかを、私の思いを紹介させて頂くともに大阪府理学療法士会の皆様と共に考えてみましょう。
(略歴)
行岡保健衛生学園理学療法学科卒後、兵庫医科大学病院リハビリテーション部に勤務。
1982年にはICUに、翌1983年には新生児室、NICUに呼吸理学療法を導入。
専門は呼吸生理、急性期理学療法、内部障害系理学療法。
(主な著書)
「最新包括的呼吸リハビリテーション」(メディカ出版)
「呼吸理学療法標準手技」(医学書院)
「リハビリテーションシークレット」)メディカルサイエンスインターナショナル) |